寺田浩明著
『中国法制史』
東京大学出版会
2018年1月
本文:384頁
定価:4,200円+税。
内容説明
一元的な全国統治と市場的?契約的な社会を世界史上さきがけて確立した中国は,いかなる法秩序を備えていたのか――社会の一般的特徴の析出にはじまり,民事?刑事の法と裁判のありかた,さらには近代法の新たなモデルなど,伝統中国法の全体像を西洋と日本との比較を踏まえ描き尽くす.第一人者が講義の集大成として書き下ろす,待望のスタンダード?テキスト.
目次
序 章 伝統中国の法秩序(本講の二つの課題/皇帝?紳士?民)
第一章 人と家(家/人/宗)
第二章 生業と財産(管業/服役/租佃/所有権秩序の特質)
第三章 社会関係(空間編成/社会的結合)
第四章 秩序?紛争?訴訟(社会秩序の考え方/紛争とその解決/国家裁判機構の概要)
第五章 聴訟――裁判と判決の社会的基礎(聴訟の展開過程1――標準的展開/聴訟の展開過程2――付随的な諸展開/聴訟の規範的構造/ルール型の法と公論型の法)
第六章 断罪――犯罪の処罰と判決の統一(命盗重案の処理1――州県が行う作業/命盗重案の処理2――覆審の過程/律例とその働き方/成案の扱い/判決の基礎付けと判決の統一)
第七章 法?権力?社会(法内容を語る場所/心中にある法の社会的共有/規範的結合の実態)
第八章 文明を跨いだ法の語り方(人間関係と制度的関係/中国と近代法)
おわりに |